2012年05月10日(木)
「死んだ鳥症候群」
こんにちは。大野秀樹です。今、福岡伸一という方の自然科学の本を読んでいます。気持ちの悪い人間と思われるとは思うのですが、読みながらニヤリとしてしまいます。この方の文才自体が素晴らしいということはありますが、科学者という方たちの物言いはとても好きです。彼らはその時点でずば抜けた頭脳の持ち主あるうえに、自然や物事を体系的に捉えていく中で、常に厳しい自然界の理(ことわり)の洗礼を浴び、物の見方、感じ方が鍛えられ、磨かれているからと思います。何となく良いとか、こんな感じとかいう曖昧さの許されていない場所で、常に物事を思考し、行っていると、辛辣と思えるようなことも彼らにとって普通なのでしょう。本来自然の中の摂理と言うものはシンプルでいながら、それくらい厳しいものであるというようなメッセージが端々にきこえてきます。
福岡さんの本の記述の中に、「死んだ鳥症候群」についてのものがあり、どの世界も本当にそうで、科学者は、やはり真実を見抜き本当の事を言うなと思いました。仕事の要領を覚え、地位や名誉という、いわゆる成功を手にした、一見優雅に飛んでいるように見えるその鳥が、実はもうすでに情熱は枯れ、死んでしまっているという病気だそうです。必ずしも皆がそうなるわけでわありませんが、僕が見てきた限りこれは伝染もし、その人の瞳の中にも表れる気がします。
どの世界も本当にそうと言ったように、ダンスにも一目瞭然に現れてしまいます。僕は地位も名誉もあるわけではありませんが、自分自身が知らずの内にそれであるのかもしれないという恐怖は大変なものです。