2012年06月28日(木)
回復
こんにちは。大野秀樹です。井の頭公園のことについては時折触れたくなるのですが、やはり、梅雨の晴れ間に見せる輝きの様なものは、神聖な感じさえします。井の頭公園は愛されている公園です。
以前、自然界には、その物、その事にとって後戻りできない地点というのがあるという様な事を書きました。当然に時間は後に戻らず、経験したことは其々の中に保存されていきますから元の状態になるということはありません。この場合の後戻りは、回復するというような意味をさしています。
僕が普通と思っていた時代の世界も、それ以前と比べて随分違い、また、現在もそれと随分と違い、いつでもその時を普通としていってしまいます。只、今という時代を思ってみると、実に危なっかしい状態と思います。中学生くらいの頃「くう・ねる・あそぶ」というキャッチフレーズが流行し、何を持って癒しというのかわからないまま、癒し癒しがもてはやされ、ゆるいゆるいと穏やかなキャラクターを喜んでいるうちに、いつのまにか骨格を失い、志を持って物事を決められない人間ばかりになってしまいました。勿論、僕もその中にどっぷりといます。
しかしながら、思うに「脱原発宣言」をした国が、原発をやめる計画をもたずして稼働に踏み切るモラルの崩れ方は、やはりただ事でなく、今の状況を見た時、回復不能の様に思えます。
私達、ダンスの世界も、ある種そのような危機的瀕死の状態にあるように思います。