2013年04月11日(木)
特効薬
こんにちは。大野秀樹です。世の中には劇的に何かを変えるために、特効薬的なものを用いてするやり方があります。所謂、毒を以て毒を制すというやり方のことです。このことは今起きている事態を理解できる能力と、それを正のエネルギーに転換する刺激物を見極め、その後に起きる事態を誘導できる能力があれば、有効な結果を残すことがあると思います。それでも、方法論としてのやり方的な理解としてでは、直に行き詰まりを見せると思います。
何れにせよ、やはり物事を良き方向に導いて行く為には多くの時間や、労力が必要であると思います。
問題は、多くの時間や愛情を伴う労力使ってする仕方を持ってしか作り上げることが出来ないものがあるということを理解しようとせず、多くをすっ飛ばしたところで、そういった特効薬的なものを使いたがる人が、これだけ情報が流布していると、ある程度の事を率なくするというような感じでたくさんいるということです。自分も間違いなくそういうことをたくさんしてしまっていると思います。情報は、一度知ると、あたかも以前から知っていたかのような錯覚をすることがよくあるからです。
これらのことは、ダンスを人に伝えることを仕事にしていると、深刻に密接に感じます。誰でも直に上手になれたらと思いますし、本当にそんなことがあるなら、人にも伝えたいと思うでしょうし。
しかしながら、当然実際そういうことはなく、にもかかわらず、情報として、さもそれが特効薬であるというようなことをしながらダンスしようとする人はたくさんいます。人が中身の伴わない情報に多く晒されたときに起こる現象は、ダンスの本来の楽しみにたいしての不感症的症状です。